新築住宅
建築家・スタッフの声
Intake 邸 竹内美穂・加藤純(建築家)
Vol.054鈴鹿市Intake 邸
敷地は、昔ながらの瓦葺きの平屋が今も残る閑静なところです。
間口10m奥行き30mの南北に長い敷地、南面には2階建ての家があり、プライバシーを確保しつつ、どのようにして光を取り込むかで、何度も打合せを繰り返しました。
iさまの当初からのご希望は「明るく、風通り良く」、見た目は「白い箱」が全体イメージでした。
しかし、打合せを進めていく中で、iさまから受ける印象が「落ち着いた、和みのある空間」となり、どんどん箱のイメージから遠ざかっていく感覚がありました。
双方のイメージを重ねた末に、すっきりと切立った「箱」と、なだらかに落ち着く「軒」を具有する空間として、家の提案を続けていきました。
また、夜間ご自宅の打合せで、お子さまを起こさないよう小声ではじめても、途中から雑談で盛り上がってしまい、笑い声で幕を閉じていた打合せですが、
「ハンガーを使うとき、ハンガー同士が引っ掛かる」の不満解決対策、家事動線は当たり前でゴミ動線の議論、などと「家事観」のかなりの部分で共感しつつ、時にはまじめに(?)お話した事が印象深いです。
プランニングの途中、中庭型のプランで進む中、敷地に対して建物を30° 振った形で光を取り込むプランを提案し、気に入って頂いたと思い、次の打合せに意気揚々と挑んだ時のこと、
「やっぱり、斜めは生理的にだめです。。。」とNGが出たこともありました。まさに「ガーン」でした(笑)。
最終的にその「斜め」の要素は、光や風の取り込み方、空間のつながり方、長い敷地形状を活かした庭の見え方、として気に入って頂き、しっかりと反映されました。そのときは「ホッ」でした(笑)。
<Intake(インテーク)>という名前は、その意味「取り入れる、吸い込む」の通りで、この家の最も主題として話し合った、採光と通風にかかわる家の機能と形態から名付けています。
この敷地には以前から畑があり、工事で少し削られたのですが、すぐに手を入れられて復活していました。
これからも、季節ごとに野菜や果物をつくられて、それらが自作の食器で食卓に並ぶ風景が思い描かれます。
家の工事は終わり、庭づくりの方はこれからですが、iさまが畑や庭と共に月日を重ね、iさまの「家」としての存在を形づくられることも思い描かれます。
Check in detail!
このお客様の
施工事例を見る