我が家の家造り

今から3年程前、会社の同僚、先輩、友人が相次いで家を手に入れていた。自分も家には興味はあったが、当時はアパート3DKの住まいで特に不満はなかった。２００４年春、新聞広告の中に「建築家と・・・」、まだ当分先のことだと思っていた我が家の家造りが始まった。
その会場で四日市スタジオの前田さんと出会い、ＡＳＪシステム概要を聞き、建築家のブースを見て回った。いま思い返すと、そこで建築デザイン研究所の山下さんとも話をしており、我が家の設計はこの人に依頼するだろうと薄々感じていた。大切な人との出会いは、案外こんなものだと。

我が家の場合、土地探しからのスタートであった。前田さんにもお願いをしていたが、いまいちの物件ばかりであった。この時点で我が家の設計士は既に山下さんにお願いすることになっていた。山下さんにも候補の土地を実際に見て頂いたりしたが、最終決断に至ることは無かった。土地探しは大切な工程と考えていたので、時間がかかることを苦にはしていなかった。当時のアパートから目と鼻の先に空き地があり、思い切ってその土地の交渉をお願いした。前田さん、不動産屋さんの匠の話術で、その土地を購入できることになった。土地との出会いも案外こんなものだと。

設計は、設計士である山下さんのセンスと、そのセンスに惚れた自分を信じて、前田さんも含めた３者で設計を進めた。特にこだわりと言ったものは、自分自身持っていなかったが、バランスだけは大切にしようと思った。バランス、このことを3者が共通認識として持って設計に臨めたと思う。抽象的にしか表現はできないが、このこだわりのないこだわり感といったものが、逆に良い方向へ向かってくれた。
工事に関しては、地鎮祭から上棟式、足場解体、内部工事と工程表を見たときは、「工事期間が長いなぁ！」と思った。自分としては、設計で決まったことからの変更に関して、何も口を出さないようにしようと考えていたが、やっぱり「ここを追加、あそこを変更」と、山下さん、現場監督の川喜多さんを困らせた。やはり大なり小なり行き違いがあり、頭を悩ませることもあった。１つのものを造り上げる難しさを実感した。しかし、確実に丁寧に工事が進捗するのを目の当たりにして、はやく新居に住みたい気持ちでいっぱいであった。

今この家に住んで最初の冬を迎えようとしている。これからこの家で、家族と様々な四季を感じ、我が家の歴史を刻んで行くことになる。我が家の家造りに携わった全てのひとに、この場を借りて改めて御礼を言いたいと思う。「ありがとうございました。そして、これからも宜しくお願いします。」

振り返ると、我が家は様々な面で出会いに恵まれていたと思う。家を買うのではなく、家を共に造り、建てることができたから。